英国の競馬界が、政府による賭けに対する増税案に抗議し、8月20日(水)に1日間のストライキを行うという前代未聞の事態が発生しました。英国競馬統括機構(BHA)は、この増税が何百万ポンドもの収益減と数千人規模の失業につながると主張し、リンフィールドパーク、カーライル、ユトクスター、ケンプトンパークの4つの競馬場の開催を延期しました。水曜日は英国全土で競馬が開催されず、トップジョッキー、調教師、馬主らはウェストミンスターで議員へのロビー活動を行う予定です。
政府の財務省は、既存のオンライン賭博税を一本化することを検討しており、競馬におけるブックメーカーが支払う15%の税率を、現在21%の税率が適用されているオンラインカジノなどのオンラインゲームに合わせることが計画されています。財務長官のレイチェル・リーブス氏が11月26日に発表する予算案で増税が実施される見込みです。しかし、財務省のダン・トムリンソン次官は、増税に関する憶測は不正確で無責任だと反論しています。競馬はサッカーに次ぐ英国で2番目に大きな観客動員数を誇るスポーツであり、年間1400以上の開催が行われています。増税によって賭け事業者のコストが増加すると、競馬の宣伝やスポンサーシップが減少し、オッズが悪化し、顧客へのボーナスも削減される可能性があり、結果として競馬への賭けが魅力的でなくなり、闇市場へと流れ込む可能性があると懸念されています。BHAが委託した経済分析によると、税率の変更は業界に5年間で3億3000万ポンドの収益減をもたらし、初年度だけで2752人の雇用が失われる可能性があるとしています。
ストライキには、トップジョッキーのトム・マルカンド騎手も参加し、もし英国競馬の資金が減少すれば海外移住を余儀なくされる可能性があると語っています。多くの競馬ファンも、ブックメーカーの収益減少が競馬界全体に悪影響を及ぼすことを懸念しています。一方、賭博業者を代表する団体であるBetting and Gaming Council(BGC)は、ストライキ決定に事前に相談されていなかったと批判しており、政府との関係悪化や競馬ファンへの不満につながる可能性を指摘しています。BHAは、競馬は他の賭けとは異なり、スキルを必要とする国民的遺産であると主張し、増税は闇市場への賭けの流出につながる可能性があると警告しています。現時点では、さらなるストライキは計画されていませんが、今後の状況によっては、より大きな影響力を持つレースでの行動も排除されていません。
今回のストライキは、BHAの「競馬税を撤廃せよ」キャンペーンの一環であり、約1万2000人の署名が集まっています。ストライキ当日の収益減少は推定20万ポンドと見込まれますが、開催延期によってその影響は軽減されると見られています。


